目次
序章 髪を塗るときのポイント!
どうもみなさん!副業イラストレーターのオア(Twitter @ORE_artstudio)です!
今回は初心者、中級者が最も迷うだろう事柄の一つ!髪の塗り方について!40冊以上の本から学んだ知恵を基に筆者が実際に描きながら紹介しようと思います!
まず結論髪を塗る際に大事なポイント!なのですが、それは流れを意識することです!というのが良くあるポイントなのですが僕はもう一声行きます。
ズバリ、盛ることやりすぎない!ということです!!
「アイエエエ!盛りすぎダメ?ナンデ!?ドウシテ!!」
という方にも分かりやすく、そのポイントを次で解説していきます!
第一章 盛りすぎること=魅力的にはならない
↑過去絵
↓最近の絵
よくプロのイラストレーター方が、「髪を少しやりすぎなくらい盛ると魅力的になります!」といっています。
事実それは本当です。ですがそれは中級者以上に向けた内容です。(初心者向けって大体書いてありますが正直、説明不足です)
では何がだめなのか?どうすればいいのかをこれからお話しますね!
上がまだ趣味で描いていた下手だと自覚していない時期の絵です。一方上が下手だと自覚して成長した最近の絵です。
上と下で比べると全体的に画力の差が見られます。
髪だけに注視してみると、あることに気づくと思うんです!
上の髪の毛は流れは意識しているけど無理やり盛ろうと頑張ってるんですよね!一方で下の絵は流れと盛り方のバランスを測って描いているように見えます!
これが無理やり盛っても髪は上手くならない理由です。無理やり盛ろうとすると自然な髪の流れも崩れてしまうんです!!
盛ることを意識するあまり流れをないがしろにしないようにしましょう!
線画が重要になってきますが慣れないうちは上手く引けないと思うのでそこは練習あるのみです!!
第二章 色で塗る技術を習得しよう!
過去の絵なので絵柄や画力が古く低いですが分かりやすいと思います。
線画で描くのが難しい!そんな人でも色で描けば大丈夫!
これは髪だけに応用できる技術ではないのですが、髪をシルエットで捉えると流れが面で見えて分かりやすいのでおすすめです!
今回は塗り方なので詳しくはまたどこかで解説します。
一応ポーズを楽に描くための技術としてこの技術を紹介しています!是非気になった方は覗いてみてください!
第三章 実際に髪を塗ってみた!(2021/3/15時点の塗り方)
では、実際に最近描いた絵を例に僕なりの塗り方を紹介します!
僕の塗り方はイラストレーターの方々から大方はかすめ取った技術を改良したり、そのまま使ったりしているのでお役に立てる場面があると思います!
ステップ0 説明の見方
髪のレイヤーになります。左がメイン、右がツインテの下地です。
この写真をレイヤーの変更(乗算や加算など)や不透明度(表示の%)の参考にしてください。
これ以下は左が前のステップ、右が次のステップという表示になります!
ステップ1 ベース(下地)を塗る
- バケツツールや囲い塗りツール、Gペンで下地を塗る
- 色の選択はスポイトで参考イラストから吸って使ったり色変更をする
まず髪の下地を塗ります!
バケツツールやクリッピングを使えば楽です!ディティールはGペンで後から塗っています!
今回は目と肌、小物は既に塗ってある状態で進めます!(モチベ維持のため)
ステップ2 前髪に肌色を塗り透け感を出す
- 肌色をスポイトで吸います
- エアブラシで前髪付近を軽く塗ります
- 通常レイヤーから覆い焼き(発光)レイヤーに変更
- 不透明度を15%程度に落とし、調整して完成
分かります?この違い…因みに僕は初心者時代何が変わった?と思っていましたw
ですが後々見栄えが良くなるために重要な工程なのです!
ステップ3 更に前髪と頭の上にグラデーションをかける
- 乗算レイヤーに変更
- 同様にエアブラシで軽く前髪の先っちょを塗ります
- その後不透明度を調整してバランスを整えます。ここでは目立ち過ぎない程度におさえます
この工程はまだ試行錯誤中なのでブラッシュアップ出来たら追記で書いておきます!
ステップ4 落ち影を描く
- 乗算レイヤー、水多めの水彩で濃い影を描きます
- 髪の流れを描く工程(線画で内部のディティールを描く部分の代わり)なので、くどくならないようにほどほどに描きます
- ちょこまかと描くのではなく、ここは影!と決めたら大雑把に描くことがポイントです
最後にガッと影を描く場合(下の場合)は、重要な部分だけに影を落とすことで前後間を協調できるので意識してみると面白いですよ!
ステップ5 ハッチングをかける
- 乗算レイヤー、鉛筆
- 前髪の上部にハッチングを描く
- 髪の流れを意識してサッサと描いていく。ポイントはあまり細かく描かないこと
ハッチングを使うと質感や流れを作ることができます!
簡単そうですが実はプロになる上で最低限必要な必須スキルです。
これが有るか無いかで、仕事で採用される確率がガクッと変わります!
ステップ6 グラデーションをかける
↑前髪
↓ツインテ
前髪
- 通常レイヤー、エアブラシ
- 青~赤~青と前髪に近づくにつれて赤を足して遠近感をたします
- その後不透明度を30%程度に抑えふんわりとさせます
ツインテ
- 通常レイヤー、不透明度60%、エアブラシ
- 髪の先端に行くにつれて黄色(または青)を乗せて空気感を出します
遠くにあるものほど青味がかった色に見えます。これを空気遠近法と呼びます。
その現象を利用して髪に背景色や黄色、青味を足すことで透け感や遠近感、また抽象化にもなるので手ごろで強い技術です!
ステップ7 ハイライトを入れる
- 加算(発光)レイヤー、水多めの水彩
- ハッチングをガイドに大雑把に描いていきます。また、上部に軽く輪っかのように描きます
- その後消しゴムを使って整えます
自分のお気に入りのハイライトでも大丈夫です!
ステップ8 ツインテに大雑把な影を描く
- 乗算レイヤー、不透明度30%、水多め水彩
- 髪の流れを意識して大きく影を描きます
- ここではこまごまとした影は一切描かないことがポイントです
こまごまとした影は落ち影でつけているので、ここでは大雑把な影を描きましょう!
ステップ9 青味を足して更に空気感と彩りを足す
- 通常レイヤー、不透明度30%、エアブラシ
- 手間は赤、奥は青としてエアブラシでのせていく
全部塗ってしまう=× で塗らない!を作るといいですよ
ステップ10 ツインテにハイライトを描く
- 加算(発光)レイヤー、水多め水彩
- 落ち影に沿ってハイライトを入れていきます。
- 前髪と同様に後から消しゴムで整えます
- 髪の境界に軽くリムライトを入れると存在感が出てパキッとした印象になります!
リムライトは縁に入る光のことです。
そこに光源ないよ?という場所でも入っていることがあります。
これは前後感の関係をハッキリとさせるためにわざと入れているもので良く線画のない背景や服、逆光の際に多用します。
ステップ11 細かい髪の毛を追加する
- 線画の一番上に新規通常レイヤーを作成。Gペン
- 髪の流れに沿って足りないボリュームを盛る!!
ラストステップ 髪を透かす
- 髪のフォルダーを複製(Alt+ドラッグ)
- その後、髪の線画の下に配置し、不透明度30%に下げます
- これでOKです!
この髪の透かし方を教えてくれる場所は少ないので、お役に立てれば幸いです!!
完成!!
最終章 まとめ
いかがでしたでしょうか?
今回は例を取って実践形式でお見せしましたが少しでもお役に立てれば幸いです!
- 盛る=魅力ではない 流れの綺麗な髪が好まれる(ボサボサとサラサラの違い)
- 影はざっくり描く影と細かい影の二つを使い分ける
- 空気遠近法を使って見せる部分と見せない部分を使い分けると魅力アップ
- 盛るときは細い髪を上から足したりすると良い
当記事ではこのほかにも、40冊以上のメイキング本から集約したイラストの上達に関する情報を発信しております!
もしよければ是非下の記事も覗いていただけると幸いです!また、今後もこのような情報を発信していくので困ったら立ち寄って頂けると嬉しいです!!
それでは!ありがとうございました!!
初心者にありがちなのが髪はボリューミーにすれば魅力が上がると勘違いしていることです!
その勘違いの答えを知るまで僕も満足できずにいたので、当記事が少しでもお役に立てれば幸いです!